こちらの記事では、基幹システムのリプレイスに伴って注目されている「ホワイトボックス化」についてまとめています。そもそも「ホワイトボックス化」とは何かという点から、ブラックボックスとの違い、ブラックボックスが発生する要因やリスクを紹介。さらに、ホワイトボックス化を行う方法についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
ソフトウェアやシステムにおいて、その内部構造や仕様、動作原理などが公開されている・明らかになっているものを「ホワイトボックス」と呼びます。逆に、内部構造や仕様などが不明なものを「ブラックボックス」と呼びます。
すなわち、「ホワイトボックス化」とはブラックボックスとなっているシステムやソフトウェアの内部構造、動作原理などを把握し、公開・理解できるようにすることを指します。
企業で使用しているシステムについて新しい機能が必要となった場合などには、多くの企業ではシステムの再構築ではなく部分的な追加開発や機能の補填を行うケースが多いといえます。これを繰り返すことによってシステムがつぎはぎだらけの状態になり、どのような構造になっているのかが分かりにくくなります。
システムが当時の設計者にしかわからない仕様で開発が行われている、仕様書が整備されていないといった状態の場合にも管理が困難になるため、ブラックボックス化につながるといえます。システムを長期間運用する場合、その期間中に開発を担当したエンジニアや開発を依頼した担当者などが退職や異動などでいなくなるケースがありますが、ここで十分に引き継ぎが行われなかった場合にもブラックボックス化が発生することになります。
ブラックボックス化した基幹システムにトラブルが発生した場合、システムの復旧に非常に時間がかかることが予想されます。そうなると、たとえば発注が止まり顧客に迷惑をかけてしまう、トラブル対応にかかりっきりになってしまい本来の業務が滞るといった影響が考えられます。
またブラックボックス化したシステムの場合、仕様が不明であるためにシステムの連携が難しくなり、必要な情報をタイムリーに取り込むのが難しくなるケースも。この場合、経営分析などの遅れから競争力の低下につながる可能性も否定できません。
業務の拡張や効率化のためにシステムの機能も拡張したい、と考えることもあるでしょう。しかし、ブラックボックス化したシステムの場合、「通常の運用やトラブル対応で手一杯」という状況が考えられます。このような状況ではシステムの拡張が難しいと言わざるを得ません。また、システムのトラブルが多く発生するなど信頼性が低く、そもそもシステムの拡張に着手できないといったケースが発生することも考えられます。
ソースコードの可視化によって、システムの内部構造を確認できるようになります。この点からで透明性が高まるため、何らかのトラブルが発生した際にも原因の究明や改善を迅速に行えることが期待できます。
システムについて、仕様書やマニュアルの作成などドキュメントの整理も必要です。より詳しいドキュメント作成を行うためにも、実際の担当者自らが作成することが理想ではありますが、本人にしかわからない内容では意味がありません。そのため、第三者によってチェックを行い、誰もが理解できるドキュメント内容になっているか、という点を確認しながら作成を進めていきます。
基幹システムをホワイトボックス化するには、属人化の排除も必要です。例えば、担当者が変更になる際は業務の引き継ぎを徹底する、情報共有を促すための仕組みづくりを行う、などを取り組みましょう。属人化が起こらない仕組みづくりを怠ってしまうと、時間の経過とともに再度システムのブラックボックス化してしまう可能性がありますので、習慣化しきちんと取り組んでいくことが大切です。
基幹システムがブラックボックス化している場合には、業務や経営にさまざまな影響を与える可能性があるため、ホワイトボックス化への取り組みが大切であるといえます。しかし、自社ではホワイトボックス化が難しいケースもあるかもしれません。その場合には、基幹システム開発会社へ相談してみることがおすすめです。
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